ディズニー公式動画配信サービスDisney+(ディズニープラス)のコンテンツブランド「スター」で独占配信がスタートしたドラマ『濁流』がいま話題だ。Disney+初のオリジナル時代劇シリーズであると同時に、人気絶頂の若手スター、ロウンの入隊前最後の作品ということでも注目されている。朝鮮中の金と物資が集まる京江(キョンガン)を舞台に、無法地帯と化した世の中で人間らしく生きようともがく3人の男女の運命を描いた激動の物語。男の哀愁漂う荒くれ者を熱演するロウンのこれまでとはまったく違う新たな魅力に、押し流されるようにハマるファンが続出しそうだ。>>『濁流』の視聴はこちら“人気絶頂”ロウン、入隊前最後のドラマで大変身!190cmの長身と端正なマスク、明るく親しみやすい人柄で世界中のファンに愛されているロウン。2016年にアイドルグループSF9のメンバーとしてデビューし、その後ドラマでも活躍。2023年には俳優業に専念することを発表した。『濁流』はそんなロウンが演技者としてさらなる飛躍をとげた記念碑的作品といえるだろう。過去には『偶然見つけたハル』で漫画から抜け出たようなイケメンと絶賛され、『先輩、その口紅塗らないで』では“国民の年下男子”と呼ばれるなど、甘くロマンチックなイメージが強かったロウン。持ち前の愛らしさが爆発した『恋慕』やコミカルな顔も見せた『婚礼大捷<こんれいたいしょう>』で時代劇も経験済みだが、韓服をスタイリッシュに着こなしていたこれら2作と『濁流』で見せる姿は別人のようだ。今回、彼が演じたのは麻浦(マポ)の渡し場で荷物運びの重労働にあえぐ寡黙な青年チャン・シユル。社会の最下層で食うや食わずの過酷な日々を送る彼は、労働者の中でも孤立した一匹狼で、虚無的な目をしている。無精髭に当世流行りのマンバンヘア(男性のお団子ヘアスタイル)、日に焼けたその顔は野生味に溢れ、一瞬あのロウンだとわからないほど。だが、周りから頭ひとつ半飛び出た高身長と隠し切れない品格は殺伐とした渡し場でよく目立ち、まさに“掃き溜めに鶴”状態。うらぶれた背中からは男の哀愁が漂い、退廃的な色気さえ感じさせる。さらに2話の冒頭では激しいアクションにも挑戦。長い手足を生かし、相手の拳を素手で握りつぶすような豪快で重量感ある動きには目を見張る。また、川のシーンでは鍛え上げられた上半身を披露、美しい腹筋でドキドキさせる一幕も。名前を呼んでくれる人もなく、過去を隠し、帰るところのない人間特有の寂しさを色濃く身にまとった主人公。来る10月27日に入隊が決まっているロウンにとって、『濁流』で魅せた演技はファンへの大きなプレゼントであり、彼自身も表現者として大きなターニングポイントを迎えた作品になったといえそうだ。シン・イェウンからパク・ソハムまで…注目俳優たちが勢ぞろいそんなシユルに絡んでいくのが2人の男女、チェ・ウンとチョン・チョン。チェ商団の娘として生まれたウンは、賢くて気位が高く、まっすぐな性格。天性の商いの才覚に恵まれたウンは10年も科挙に挑戦し落ち続ける兄のかわりに、父の商団を率いていくことになる。ウンを演じるのは『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』でヒロインをいじめるヨンジンの高校時代を演じ、時代劇『コッソンビ熱愛史』でしっかり者の宿の女主を好演、ディズニープラスの『ジョンニョン:スター誕生』では、エリート練習生に扮したシン・イェウン。女であるというだけで見下してくる男たちに一歩も引かないタフな眼差しが魅力だ。一方、清廉な官吏を目指すチョン・チョンに扮するのは、5人組アイドルグループKNK(クナクン)の元メンバーであり、韓国の人気BL⼩説を実写化したドラマ『セマンティックエラー』で注目されたパク・ソハム。もともとロウンに負けない長身と愛嬌が売りのパク・ソハムだが、今回は真面目で堅物な捕盗庁(ポドチョン)の役人を熱演。科挙の試験を優秀な成績で通過し、念願の官吏になれたものの、腐敗した捕盜庁の醜悪な現実と闘うはめになる若き理想主義者を志高く演じる。また、麻蒲のならず者たちを束ねるムドクを演じるのは『ソウル・バスターズ』『私たちのブルース』などで知られる個性派パク・ジファン。悲しみとおかしみが表裏一体となった絶妙な演技は必見。また、そんなムドクの下に家族のように集まった“ならず者集団”を演じるのは、パク・ジョンピョをはじめとする名脇役陣。世の中の最下層で虐げられながらも、したたかにたくましく生き抜かんとする彼らのあくなきエネルギー、ペーソス溢れるコミカルな描写は物語のアクセントになっている。混沌とした時代をどう生きるか…夢を追う若者たちの物語『濁流』は朝鮮王朝時代、豊かだった京江が濁流に変わり混乱に陥った世界が舞台だ。物語の中心となるのは3人の男女。過去を隠し、麻浦の渡し場でしがない労働者として生きるチャン・シユル、朝鮮最高の商団を率いる強い女性チェ・ウン、そして清廉潔白な奉行であるチョン・チョン。かつて国軍将校になることを夢見ていた幼なじみのシユルとチョンは、ある事件がもとで離ればなれになってしまう。その後、正反対の道を歩んだ2人は、荒くれ者とエリート官吏という立場で奇跡的に再会。やがて3人の運命は絡み合い、混沌とした時代のうねりに翻弄されていく……。ロウン演じる主人公シユルは、1日必死で働いて米1升、そこから税を抜かれ、自殺者まで出る過酷で理不尽な日常を送っている。こんな場所にいるべき人間でないことは一目瞭然だが、心に深い傷を負っているであろうことは、その暗い眼差しが物語る。ひとたび闘いになれば相手の拳を一撃で握りつぶすのは朝飯前。腹に刺された傷跡があるため、逃亡中の罪人か? 伝説の剣客か? と疑われることも。権力者から「その反抗的で生意気な目が気にいらん!」と理不尽に殴られても堂々としているシユルの静かなかっこよさ! あらゆる物に細かく税が課せられて、民衆の血と汗が税を名目にごっそり絞り取られていく、その痛みや憤りは現代社会を生きる我々が抱える問題と繋がるような一面も。2話のラストでは、お目通りの最中に道端で首を垂れている男を見つけたチョンが慌てて馬を降り「シユル」「この野郎、生きていたか!」と声をかけ、抱きしめる。そのとき視聴者は、これまで“若造”と呼ばれるのみで、誰もその名前を気にする者のいなかった主人公の名前が「シユル」であることを初めて知る。死んだようだったシユルの目に蘇ってくる人間らしい感情……彼にどんな過去があったのか? チョンとウンはシユルにどう絡んでいくのか。先に期待せずにはいられない。時代劇ファンの信頼もバツグン!『王になった男』『推奴』制作陣がタッグ『濁流』は、9月18日に韓国で行われた「第30回釜山国際映画祭」で、配信ドラマを対象にその年の期待作をプレミア上映する「オンスクリーン部門」に正式招待。オープニングセレモニーでは、主演陣と監督がレッドカーペットに登場したことも話題を呼んだ。同作を通じてドラマ作品の演出に初挑戦したのは、映画『王になった男』を大ヒットさせ、最近日本で公開された『大統領暗殺裁判 16日間の真実』でも注目を集めているチュ・チャンミン監督。脚本は、久しぶりに時代劇に戻ったチョン・ソンイル脚本家が担当した。約15年前『推奴~チュノ~』で「割れた腹筋時代劇ブーム」を巻き起こした脚本家が、今回は奴婢からならず者にフォーカスを移し、荒々しくも切実で、暗い情熱がたぎるような独特の世界を再び作り上げている。撮影に8ヶ月かけ、丁寧に作られた映画並みの映像と見応えあるストーリーから構築された全9話。ドラマ『濁流』は観る者の心に怒涛のように押し寄せる感動を約束する。(執筆:望月美寿)■作品概要『濁流』Disney+(ディズニープラス)で独占配信中全9話/初回3話、以降毎週金曜2話ずつ配信>>『濁流』の視聴はこちら【ストーリー】時は、青く澄んでいた京江が濁流に変わり果てた無法地帯の朝鮮。かつて国軍将校になることを夢見るふたりの幼なじみは、その夢を実現する前に離ればなれになってしまった。まったく異なる道を歩んだふたりが数年後、ある争いの最中に再会する――。過去を隠してならず者として生きるシユルと、朝鮮一の商人を夢見るウン、清廉な官吏を志すチョン。混沌とした時代に、揺るぎない信念で己の世界を築き上げようとする3人の運命が交錯する。【キャスト】チャン・シユル:ロウン『この恋は不可抗力』『明日』『恋慕』チェ・ウン:シン・イェウン『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』『ジョンニョン: スター誕生』チョン・チョン:パク・ソハム『セマンティックエラー』『2度目のファースト・ラブ』ムドク:パク・ジファン『ソウル・バスターズ』『私たちのブルース』【スタッフ】演出:チュ・チャンミン『王になった男』『拝啓、愛しています』脚本:チョン・ソンイル『今、私たちの学校は…』『推奴~チュノ~』(C)2025 Disney and its related entities■関連サイトDisney+公式HP ■作品概要『濁流』Disney+(ディズニープラス)で独占配信中全9話/初回3話、以降毎週金曜2話ずつ配信>>『濁流』の視聴はこちら【ストーリー】時は、青く澄んでいた京江が濁流に変わり果てた無法地帯の朝鮮。かつて国軍将校になることを夢見るふたりの幼なじみは、その夢を実現する前に離ればなれになってしまった。まったく異なる道を歩んだふたりが数年後、ある争いの最中に再会する――。過去を隠してならず者として生きるシユルと、朝鮮一の商人を夢見るウン、清廉な官吏を志すチョン。混沌とした時代に、揺るぎない信念で己の世界を築き上げようとする3人の運命が交錯する。【キャスト】チャン・シユル:ロウン『この恋は不可抗力』『明日』『恋慕』チェ・ウン:シン・イェウン『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』『ジョンニョン: スター誕生』チョン・チョン:パク・ソハム『セマンティックエラー』『2度目のファースト・ラブ』ムドク:パク・ジファン『ソウル・バスターズ』『私たちのブルース』【スタッフ】演出:チュ・チャンミン『王になった男』『拝啓、愛しています』脚本:チョン・ソンイル『今、私たちの学校は…』『推奴~チュノ~』(C)2025 Disney and its related entities■関連サイトDisney+公式HP