少女時代のユナがドラマ「暴君のシェフ」を成功裏に終え、“ドラマクイーン”の地位を確固たるものにした。主演俳優の交代という難関の中でも揺るがず自らの役割を果たし、全ての共演者との相乗効果で圧倒的な成果を上げただけに、彼女の“チャンネルの救世主”という称号は決して過言ではない。「暴君のシェフ」は、最高の瞬間に過去へタイムスリップしたシェフが、最悪の暴君であり絶対味覚の持ち主である王と出会って繰り広げられる、サバイバルファンタジーラブコメ作。8月23日に初放送されると、俳優たちの熱演、味わい深い料理など様々な魅力で視聴者を魅了することに成功し、最高視聴率15.8%(第10話、ニールセン・コリア基準)を記録しながら、9月28日の第12話を最後に幕を閉じた。劇中でヨン・ジヨン役を演じたユナは、突然タイムスリップした状況で生き残るための苦闘を、おどけたコメディ演技で笑いをもたらした。一方、絶対味覚の暴君イ・ホン(イ・チェミン)とのスリリングなロマンスを繊細な感情演技で描き、視聴者をときめかせた。また、食を題材とするドラマの特性を活かすため、全料理シーンの95%を代役なしで自ら演じ、深い没入感を与えた。彼女の活躍により、Netflix非英語圏TVショー部門でも1位に輝くなど、韓国国内外を席巻しながら“暴君のシェフ・シンドローム”を生み出した。ユナは「ビッグマウス」「キング・ザ・ランド」に続き「暴君のシェフ」まで、3作連続ヒットを成功させ、TV-OTTドラマ出演者・話題性部門で5週連続1位などを記録し、“ヒットクイーン”としての地位を確固たるものにした。◆作品への誇りと愛情…3連続ヒットの裏側にあるものとは?まず、ユナは作品を終えた感想について、深い真心を伝えた。彼女は「とても大きな愛を感じながら毎日を過ごしています。『暴君のシェフ』は特に、思い返した時に胸が締め付けられるような感情が最も強く湧いてきます。内容的にも感情に訴えるシーンもありましたし、長い間地方まで撮影に通っていた作品です。ひたすら集中し、料理という新たな分野を準備する過程も複雑だったため、なおさら胸が熱くなる気持ちが大きいです」と告白。また「台本を初めて受け取った時から今まで、1年以上の時間をヨン・ジヨンとして過ごしたので、寂しい気持ちもありますが、それだけ一生懸命準備し努力した分、本当に多くの愛を送っていただけて誇らしい気持ちです」と語った。3作連続ヒットの秘訣として“三拍子の力”を挙げた。ユナは「全てが私一人の力だけで成し遂げられるものではないと思っています。ドラマ自体の面白さと、それを共に作り上げる俳優陣や制作スタッフ、そしてその作品を選んだ私まで、三拍子がうまく噛み合って良い成績を残せたのだと思います」と謙虚に語った。「キング・ザ・ランド」に続き、Netflixで1位に輝いたことについて「2作品もこのような好成績を収めて世界中で愛されたことは、驚きであると同時に感謝しています。良い作品も重要ですが、作品を共に作り上げるスタッフや共演者との息が合ったからこそ、良い結果につながったのだと思います。これからも息を合わせて、様々な姿をお見せできる活動を続けていきたいです」と伝えた。今回のヒットで新たな修飾語も登場したが、特に最も気に入っているものとして“今最も愛される女優”を挙げた。ユナは「現実的に実感できるフレーズだからです。空港や食堂に行ったり、知人に会った時に『待令熟手!』と呼んでくださったり、『暴君のシェフ』を楽しく見ていると言ってくださったり、そうした部分でとても実感しました」と理由を明かした。◆料理シーンのために弟子入りも!?撮影秘話を明かすユナは、ヨン・ジヨン役の核心である“シェフ”としての実力を、劇中でも完璧に見せるため、並々ならぬ努力を注いだ。彼女は料理という題材への興味を基に「料理が『暴君のシェフ』の主人公と言えるほど、料理が媒介となって展開される物語が差別化されたポイントだと思いました」と力強く語った。特に、代役なしで全料理シーンの95%を自らこなしたユナ。その背景について「台本を初めて受け取った時から、料理関連の作品をリストで送ってくださったので、それを見ながら料理コンテストも観て、一人で練習もしましたが、一人だけでは無理だと思い、料理教室にも通い始めました。有名なシェフから、盛り付けや洋食中心の指導を受けました」と明かした。また「ドラマに登場する料理を最初から完成まで実演する際は、私も現場に行き、アイデアを出したり工程を把握し、理解する時間を設けました。こうした時間があったおかげで、料理を作る過程を理解・習得できただけに、現場でもできる限り自分でやろうとしました。いずれにせよ、代役の方が担当する場合でも、私が実際に調理したものをカメラに収める必要がある部分があったため、最初から最後まで全く同じようにできるレベルを目指しました」とプロフェッショナルな姿勢を見せた。ラブコメにおける演技哲学について「オーバーに映るかもしれませんが、できる限りやり切ることが良い結果につながると思っています。できるだけ恥ずかしがらずにやるようにしています」と、自身の考えを明かした。特に視聴者の笑いを誘ったテコンドーや熱唱のシーンを振り返り、「『Come Back Home(原曲:ソテジワアイドゥル)』は、歌詞がヨン・ジヨンに最も合っていると思いました」と明かし、台本にあった歌詞をヨン・ジヨンの状況に合わせて自ら改詞したという。さらに「リハーサルでは、『リズムがない』という指摘をうけ、一体感が出るように食器を楽器のように叩くなど、細かいディテールを加えました。監督は、アイデア出しやアドリブについて話し合い、良いと思えば台本を書き換えてくれるほど、柔軟にアイデアを受け入れてくれます。なので、俳優たちがアイデアを出せば、遠慮なく自由に話し合いながら作り上げていく現場でした」と和気あいあいとした雰囲気も伝えた。◆王のリアクションも話題に「恥ずかしがらずに演じていて…」作品全体を通じて紹介された多彩な料理の饗宴は、俳優たちの熱演と同様に見逃せないポイントだった。特にイ・ホン(イ・チェミン)のリアクションも話題を呼んだ。ユナは「私は味見するシーンがなかったので、皆さんがどうやってこれを撮影するのか気になっていました。料理を味わうカットを撮るために、本当に時間がかかりました。グリーンバックでCG撮影をして、フルショットでも撮って……。その撮影に入ると、少し待機時間ができた記憶があります。そのたびに撮影の様子を横から見ていましたが、恥ずかしがらずに自信を持って表現するイ・ホンの姿を見て、本当に上手い、素晴らしいと思いました」と絶賛した。また「料理をする過程は見えるけれど、食べる人のリアクションで料理を作った人の能力がどれほどすごいのか表現されるんです。でも、とても美味しそうに食べてくれて、世の中で食べたことのないすごい料理を作った料理人になったかのようなリアクションをしてくれたおかげで、実力がより際立って見えたのではないかかと思い、ありがたかったです。イ・ホンはいつも『どうやって作ったのか分かりません。現実逃避したくなります』と言っていました。葦原のシーンは実際に葦原に行って撮影してきたそうです。私は行けませんでしたが、完成シーンを見るとすごく上手でした」と付け加えた。最も記憶に残るリアクションは何だったのだろうか。ユナは「まずイ・ホンの葦原。料理を食べて服を脱ぎ散らかしたあのシーンと、MSGエビや椎茸が飛び交う表現。それからイ・ホンと明のウゴンが、辛い味を食べて火山の中で表現した場面。剣舞もありましたね。本当にどれも記憶に強く残っています」と説明した。◆撮影直前で主役が交代も…イ・チェミンの努力を絶賛ドラマ開始前、パク・ソンフンがSNS投稿をめぐる議論により降板。主演俳優の交代があった中でも、彼女は動じることなく自身の役割に集中した。「どんな作品であれ、そのキャラクターをうまく表現することが私の課題であり責任であるため、キャラクター表現のために一生懸命勉強しました」と回想した。特に、年下で後輩の俳優とパートナーを組むのは初めてだったユナ。彼女は「これまで一緒に仕事をしてきた先輩方、同僚パートナーたちがどうしていたかをよく考えました」と述べ、自らリードしようと努力したことを明かした。相手役のイ・チェミンについても「相手役との呼吸は、現場で合わせていくことが最も重要だと考えています。(主演俳優の交代は)撮影に入る前に生じた状況でもあり、私自身も自分の役割を準備すべきことが多かったため、ヨン・ジヨンを完成させるための準備にエネルギーを注ぎました。現場で作り上げながらも、短時間で準備すべきことが多かったはずなのに、しっかり準備を整えて現場に現れたイ・チェミンが、本当に素晴らしく感じられました。なので、感謝の気持ちも大きいです」と称賛した。ユナは、今回の作品を通じて「一人で引っ張っていくのではなく、皆が一緒にすることが大切だと改めて感じました」と述べ、共演者たちとの相性が良い成績を生み出す核心であることを再認識したと語った。◆女優としてさらなる飛躍へ「数々の経験が自分の成長に」ユナの努力と情熱で、「チャンネルを変えさせない」「没入感を与える」と評価されたことについて「知らず知らずのうちに滲み出る、自分なりの表現があるように思います。やはり作品に取り組む中で、俳優だから理解できる部分と、視聴者だから理解できる部分があると思うんです。それが一方に偏りすぎると、俳優だけが理解して視聴者に届かず、視聴者は理解しても俳優としては納得できない部分が出てきます。そうした点において、作品ごとに少しずつ、これくらいは説明的な部分が見えてこそ、視聴者も感情を追いかけられるというポイントを意識するようになりました。そうしているうちに、私は常に真摯に向き合い、与えられたものを自分なりの方法で、自分だけの魅力として表現しているのだと思います。そのような意味でキャラクターと上手く噛み合えば、共存しながら良い形で表現できるのだと思います」と語った。続けて「いつが起点だと言うのは難しいほど、私はいつも同じように続けていますが、経験が積み重なるにつれ、私自身も気づかないうちに、自分だけの成長が生まれているようです」と、絶え間ない努力の末に得られた自然な成長であることを明かしたユナ。こうした真摯な姿勢と努力が積み重なり、「暴君のシェフ」の成功を導いたのだろう。自身を表現する料理として“ビュッフェ”を挙げた彼女は、今後も多様な活動を通じて、人々の味覚を魅了していく決意を伝えた。・少女時代 ユナ、日本で「暴君のシェフ」OSTを熱唱!名シーン秘話やサンドイッチ作りも・「暴君のシェフ」で活躍!少女時代 ユナ、アイドルと女優の両立に本音を告白(動画あり)